私は幼い頃から、いわゆる「いい子」で、先生に怒られた記憶があまりありません。
先生に怒られた記憶は数少ないので、一つ一つを覚えていたりします。
今回は数少ない怒られた記憶の中から、小学1年生の遠足で、めちゃくちゃ怒られた話をします。
低学年は手をつなぐ
遠足などで外を歩くとき、低学年は子供同士で手をつなぎます。
私の小学校では、2年生くらいまでは手をつないで2列で歩いていたと思います。
安全のため、集団行動のルールを学ぶため…理由はいくつかありそうですが、手掌多汗症の私には大問題でした。
小学生になる頃には自分の手汗のひどさを自覚しており、友達に不快な思いをさせるかもしれないということも理解していました。
幼稚園児の頃にもあった、ぼんやりとした恥ずかしさや申し訳なさが、小学生になるとどんどん大きくなったのです。
そして、小学1年生の遠足の日、出発前に隣の子と手をつなぐように言われました。
私の隣は、男の子でした。
手をつなぐように言われた時点で、私の手には汗が噴き出しています。
「こんな手で、手をつないだら絶対に嫌がられる」
どうしよう、と困り果てました。
名案がひらめいた!
そのとき、いいことを思いついたのです。
「ハンカチを手と手の間に挟んで、手をつなげばそんなに嫌がられないかもしれない!」
名案だ!と思い、隣の男の子に「私はすごく手に汗をかくから、ハンカチを挟んでもいい?」と聞いてみました。
男の子は、キョトンとしてましたが、「いいよ」と言ってくれました。
たぶん、「すごく手に汗をかく」というのがどんな状態かも分からなかったでしょうし、何でハンカチを挟むのかも分からなかったと思います。
私も中途半端な説明しかできなかったので、分からなくて当然です。
ともあれ、男の子から了解を得たので、ホッとしてハンカチを挟んで手をつなぎました。
指先部分は直に触れ合ってしまいますが、手のひら部分の汗はハンカチが吸収してくれるので、だいぶ安心できました。
めちゃくちゃ怒られました
「これで安心」とホッとしている私に、ある先生が怒りながら近づいてきました。
「何でハンカチなんか挟んでるの!?」
出発前に子供達の様子を確認して回っていた先生が、私のハンカチに気づいたのでした。
「どっちがこんなこと言い出したの!? どっちが嫌がってるの!?」
とすごい剣幕で怒られました。
先生は、私達が手をつなぐことを嫌がって、こんなことをしたと怒っているようでした。
「私が言い出しました」と答えた私に、「何でそんなことするの!ちゃんと直接手をつなぎなさい!!」と怒る先生。
先生に怒られた経験がほとんどなかった私は、萎縮してしまい、理由を説明することができませんでした。
先生は「信じられない!」などと怒り続け、隣の子は私に言われただけなのに、みんなの前で一緒に怒られる形になってしまいました。
先生の怒りが収まると、ハンカチを外して手をつなぎ直し、遠足が始まりました。
先生に怒られたこともあり、私の手はさらにグッショリ。
そんな手を握らないといけない隣の男の子に、申し訳なさでいっぱいでした。
しかも、私のせいで一緒に先生にも怒られてしまい、二人でしょんぼり歩きました。
それでも、「ごめんね」と謝ると、「いいよ」と言ってくれました。
あの子には本当に悪いことをしました。
きちんと理由を説明できたら、あんなに怒られなかったでしょうか。
でも、あのときの私には、無理だったなぁ。
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