小学校に入学すると、地域の子ども会に所属し、子ども会活動が始まるという方が多いのではないでしょうか。
子ども会は、同じ地域の子ども達が年齢に関係なく交流できますので、メリットも大きいです。
しかし、私の町の子ども会のように、活発すぎる子ども会には弊害もあります。
運動音痴で、手足の多汗症の私にとっては、弊害の方が大きかったのです。
活発な子ども会
私の町の小学校では、入学すると、全員子ども会に加入することになっていました。
現在では加入するかどうかを選択できることが多いと思うのですが、私が小学生の頃は、当然のように全員加入という時代でした。
地域の結びつきが強い田舎に住んでいたので、都市部よりもそういう傾向が強かったかもしれません。
小学校の校区は10くらいの地区に分けられ、各地区に子ども会が存在していました。
年間を通じて様々なイベントがあり、スポーツイベントでは、各地区の子ども会ごとにチームを作って出場し、順位を競っていました。
毎年開催されていたスポーツイベントは、
- 8月 ドッジボール大会・ソフトボール大会
- 9月 全地区対抗の運動会
- 10月 卓球大会
- 11月 相撲大会
- 2月 駅伝大会
・・・多くないですか?
スポーツイベントの他にも、夏祭りに出店したり、クリスマス会があったりと、毎月のように子ども会のイベントがありました。
毎年こんなにたくさんのイベントを世話する保護者や役員の負担も相当なものだったでしょうが、今回は、運動が苦手で、かつ、多汗症の子ども(つまり私)目線での弊害をお話しします。
こんなにあるの?スポーツ大会
毎年恒例のスポーツイベント。
各地区でチームを作るので、運動が苦手な私も、人数合わせのために駆り出されます。
様々な学年の子ども達と一緒に、色々な競技を体験できるというメリットはありましたが、そもそも運動音痴な私にとっては、苦行の連続でした。
そういう状況に、手のひらの多汗症が追い討ちをかけます。
しかも、大会当日だけ出場すればいいわけではなく、どの大会も約2週間の練習期間があるのです。
ドッジボール大会
毎年8月に開催されていて、夏休みに入ると、ドッジボールの練習が始まりました。
小学校1年生から3年生までの低学年が出場します。
私は強いボールを投げることも、受けることも苦手だったので、とにかく逃げる役です。
手汗がひどいので、ボールを触って濡らすのも嫌ですし、ひたすら逃げ回っていました。
ボールを受けようと思っても、全然取れないので、逃げるしかなかったとも言います。
ソフトボール大会
ドッジボール大会より苦戦したのが、ソフトボール大会です。
小学4年生・5年生・6年生の高学年が出場します。
各学年1人は女子メンバーがいないといけないため、球技が絶望的にできない私も、強制的にメンバーに組み込まれてしまいました。
ドッジボールの球を取ることもできなかった私が、ソフトボールなんて小さい球をどうにかできるわけがありません。
そして、さらに多汗症のハンデが加わります。
グローブやバットは共用なのですが、私が使った後は汗でぐっしょりになってしまうのです。
特にグローブは、手にはめていると、どんどん濡れていってしまいます。
次に使う人のことを考えると、なるべく濡らしたくありません。
そこで、守備につくとき、グローブはなるべく手にはめないで、ボールが飛んできたら慌ててはめる、という私なりの対策をしていました。
守備についたら「ボールが飛んできませんように」と祈ります。
しかし、私の定位置はライトでしたが、私が守っていると、なぜかライトに打球が飛んできます。
「え?またこっちに飛んできた!何で?」と焦り、グローブをはめるのに手間取ってエラー、というのを繰り返していました。
最終的に、監督役の保護者からは「センターが取りに行くから動かなくていい」とまで言われてしまいました。
おかげでセンターの子は、めちゃくちゃ広い守備範囲をカバーさせられていました。
私がバッターのときは、バットも握りしめると、グリップ部分が濡れてしまいます。
なるべく、みんなが触らないところを握ろうと思い、グリップの端っこを握っていました。
もともとなかなか当たらなかったんですが、そういう持ち方をするとさらに全然打てません。
結局、私がかなり小柄だったこともあり、「フォアボール狙いでいいからバットは振らなくていい」と指示を受けました。
もはや何のために出場しているんでしょうか。
・・・人数合わせのためでした。私がいないと出場自体できないと思えば、存在しているだけで価値があったのかもしれません。
地区対抗運動会
そして秋。小学校の運動会が終わってホッとしていると、今度は地区対抗の運動会がやってきます。
子ども会のイベントの中で、唯一、大人もいっしょに競技をするイベントです。
「全町運動会」と呼ばれていて、大人達は本気で優勝を目指していました。
なんて運動が好きな町なのでしょうか。
各地区の対抗戦なのですが、どの競技も年齢ごとに必要人数が決まっていて、小学生も子ども会を通じて選出されるのです。
全町運動会でも、やはり練習期間があります。
ムカデ競走や二人三脚、年代別選抜リレーなどの練習を夕方から始めます。
仕事を終えてから、練習のために公園に集まる大人達。
なんて運動が好きな人達なんでしょうか。
私はと言えば、走るのも壊滅的に遅かったので、選抜リレーの選手になることはなく、二人三脚などの無難な競技に出場していました。
裸足にならなくていいので、小学校の運動会よりはだいぶマシでした。
私の小学校の運動会は裸足でやるルールだったのですが、足の多汗症でもある私には、裸足での運動は辛すぎたのです。
卓球大会
卓球大会も、約2週間の練習期間があります。
私は卓球でも、手汗のせいで困ってしまいました。
卓球のラケットは共用なのですが、ラケットを握っていると、グリップ部分がやはり濡れてしまうのです。
木のグリップに汗が染み込んで、拭いても濡れていますし、なかなか乾いてくれません。
私の後に使う友達に申し訳なかったです。
どうしても気になるので、卓球のラケットについては買ってもらうことにしました。
そうすると、子ども会イベントでやらされた競技の中で、卓球だけは上達したのです。
卓球というスポーツと相性が良かったのか、それとも、自分専用のラケットのおかげで手の汗を気にしなくていいので集中できたのか。
後者の理由であれば、ソフトボールのグローブも買ってもらえばよかったかな。
駅伝大会
子ども会の冬の一大イベントといえば、町全体をコースにした駅伝大会でした。
町全体を走るのですが、今考えると、公道を使ってよかったんだろうか。コース、すごい長かったですけど。
振り返ってみると、町を挙げてのイベントでした。
海辺の町だったので、駅伝の練習期間は砂浜を走らされました。真冬の砂浜を。
練習中も本番も、あったかい飲み物を子ども達に差し入れしてくれた保護者の皆さんの大変さには頭が下がります。
本番では、各区を走る選手をスタート地点まで車で連れて行く人、各区を走り終わった選手を回収してゴール地点まで連れて行く人、コースの沿道で選手を誘導する人、と相当な数の保護者や役員が動いて大会を開催していました。
しかし、運動が苦手で、走るのが壊滅的に遅かった私には、そんな大人達の大変さに気づく余裕はありませんでした。
「走りたくない。出たくない」と抵抗しましたが、私が出ないと人数が揃わず、うちの地区は出場できなくなります。
そこで、大人達は私に、「10人までなら抜かれてもいい」と説得してきました。
出場チームは10チームくらいしかなかったと思うんですけど…。
結局、押し切られて出場することになり、極寒の砂浜を走らされながら後悔するのでした。
振り返ってみて
こんなに活発な子ども会で、色々なスポーツを体験できたことは、貴重な経験でした。私が下手すぎて楽しめなかったというだけで…。
こうしてじっくり振り返ってみると、多汗症がなければもう少し楽しめたんじゃないか、という気になってきます。
また、自分が保護者の立場になり、子ども会役員も経験して思うのですが、私の町の子ども会は、お世話をしてくれた大人達も相当大変だったと思います。
当時の保護者の皆様には、今更ながら感謝です。
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