【多汗症と体育】恐怖の準備運動

体験談

体育の授業は好きでしたか?

手のひらと足裏の多汗症の私にとって、体育の時間は不安とストレス満載でした。

数ある体育の授業エピソードから、まずは準備運動についてお話しします。

二人一組の準備運動

小学校の体育は、二人組での準備運動で始まることが多かったです。ペアストレッチですね。手掌多汗症の私にとっては、恐怖の時間です。

私の小学校で行われていたペアストレッチは、こんなものでした。

①座って前屈しているパートナーの背中を押す

②隣り合って頭の上と下で手を握り、体側が伸びるように引っ張り合う

③背中合わせになり、頭の上で手を握り、お互いの体を背中に載せ合う

④向かい合って足の裏を合わせて座り、手を引っ張り合う

①の背中を押すストレッチ以外は、どれも手を握らなければなりません。

①の背中を押すストレッチでさえ、パートナーの体操服を濡らしてしまう可能性があるため、どこを押すか非常に悩み、触れる面積が最小になるように指先だけで押すなど工夫していました。

②・③・④の手を握り合うストレッチなんて、言わずもがなです。

体操服でいくら手のひらを拭いても誤魔化せる量の汗ではないので、パートナーの子には「手に汗をたくさんかくんだ。濡れててごめんね」とあらかじめ謝っていました。

しかし、前もって断っていても、実際に手を握るとビックリされます。

それもそのはずで、「体育で準備運動がある。汗をかいちゃダメ」と思えば思うほど、どんどん汗が出てくるのです。

結果として、いつもより多い量の汗をかいた状態で、パートナーの手を握ることになります。

周りに多汗症の人がいなければ、「手汗が多い」と言われても、滴るほどの汗だとは思わないですよね。パートナーの子達の驚いた反応は、自然なものだったと思います。

ほとんどの子は、最初に驚いた後は、何も言わずにストレッチを続けてくれました。

でも、私の中には「きっと不快だろうな」という気持ちがあって、「ごめんね、ごめんね」と思いながら、「早く終わって!」とそれだけを考えていました。

負の連鎖

体育の授業が始まる前は、いつも不安でいっぱいでした。

今日の準備運動は二人組でするんだろうか。それともラジオ体操だけで終わるのだろうか。

準備運動のパートナーはいつもの子なのか、それとも別の子なのか。

別の子だったら、また手の汗について先に謝っておかないといけない。

そんなことを考えながら体育の授業を迎えるため、すでに手のひらはビッショリです。

自分で不安を抱えて精神発汗を起こし、「汗を止めなきゃ」と焦ってさらに汗が出る、負の連鎖に突入です。

そして、「二人でストレッチを始めて」という先生の言葉で絶望し、発汗はピークに達します。

優しい同級生

汗が滴って、とても手を握れないと思ったときは、「手じゃなくて、手首を握ってほしい」とパートナーの子に頼み、戸惑わせたこともあります。それでも結局、手首にまで汗が落ちてくるので、さらに驚かせてしまいました。

パートナーの子に汗のことを前もって話しておくと、からかわれたり露骨に嫌がったりされたことはなく、みんな一緒にストレッチをしてくれました。

今考えてみると、もっと嫌な顔をされたり、最悪いじめられたりしても、おかしくなかったのではないかと思うのです。

優しい同級生達に感謝しています。

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