多汗症には治療法や改善策があります。
ハンカチを持ち歩くことしか対策を知らなかった私は、汗を止める方法があると知った時、本当に驚きました。
いろんな方法を知ると、選択肢が広がりますね。
過去に私が試してみた方法を紹介しますので、参考になったら幸いです。
薬
塩化アルミニウム
最も有名な外用薬です。私が初めて病院を受診した際、処方された薬になります。
塩化アルミニウムが汗の出口を塞ぐため、汗の量を抑える効果があると言われています。
私は、寝る前に手や足に塗る形で使用しました。
きちんと使用して、効き目があらわれると、手も足も汗が出なくなりました。
「手の汗が出ない」という経験は、本当に貴重なものでした。
ただ、塗布する方法が手間なこと、正しい使用法でないと効果が出にくいこと、使用しないとすぐに効果が切れること、などのデメリットもありました。
塩化アルミニウムの使用感については、別の記事で詳しく書く予定です。
内服薬
私自身は内服薬を試したことはありません。
私が色々と多汗症の情報を調べていたのは十数年前ですが、当時、内服薬は出回っていなかったように思います。
現在では、プロバンサインなどの情報が出てきますね。
また、漢方薬が処方されることもあるようです。
これから病院で治療を受けることを考えていますので、内服薬を処方された場合は、使用感などをお伝えしていきます。
多汗症治療薬の進歩
このブログを立ち上げるにあたって、改めて多汗症の情報を集めてみましたが、以前はなかった薬がいくつも登場しています。
多汗症への理解が深まり、治療薬も進歩しているのだと思うと、心強いですね。
特に外用薬は、塩化アルミニウムの他にも、脇の汗に使えるエクロックゲルなど、保険適用のあるものも登場しています。外用薬は、他の治療法に比べても挑戦しやすい対策ですので、試しに使ってみる価値はあると思います。
私もこれから色々と試して、結果をお伝えしたいと思っています。
イオンフォトレーシス
汗のひどい手ひらや足の裏を水道水を入れた容器に浸して、弱い電流を流す、というものです。
水に電流を流すと発生する水素イオンが、汗の出口の機能を弱めることによって、汗の量が減ると言われています。
私がイオンフォトレーシスに挑戦した十数年前には、病院での処置は一般的ではなく、家庭用のイオンフォトレーシス装置を個人輸入で購入する必要がありました。
「ドライオニック」という装置で、1万数千円だったと記憶しています。
一定期間使用すると少し効果が出ましたが、数ヶ月チャレンジしてもそこまで劇的な効果は感じられなかったので、使用を止めてしまいました。全く効果がなかったわけではないのですが…。
今は、イオンフォトレーシス治療が受けられる病院も多いですね。
「ダーマドライ」という家庭用の装置も評判が良いようです。
病院でイオンフォトレーシスを試してみて、効果がありそうだったら家庭用の購入を検討してもいいかもしれないです。
ドライオニックからどのくらい進歩しているのか興味があるので、私もダーマドライの購入を検討しています。
ボトックス注射
脇の多汗症に使われることが多い方法で、ボツリヌス菌を無毒化したものを注射します。
私は脇の汗もひどく(腋窩多汗症)、ボトックス注射を試したことがあります。
注射後、半年ほどは脇の汗が止まりました。
いつもは黒い服ばかり着ているのですが、ボトックス注射の効果が続いている間は好きな色の服を着られて、幸せでした。
今は、重症の場合は保険適用になることもあり、脇の多汗症で悩んでいる方には試す価値のある方法だと思います。
ボトックス注射については、別の記事で詳しく書く予定です。
ETS手術
ETS手術とは「胸腔鏡下胸部交感神経遮断手術」のことで、内視鏡を使って胸部の交感神経節を切り取ったり、焼き切ったりする方法です。
手のひらの汗に効果があり、手の汗はほぼ確実に止まると言われています。
私も、この手術を受けるか迷った時期があったのですが、結局受けることなく、ここまで来てしまいました。
ETS手術をためらった理由は「代償性発汗」です。
代償性発汗とは、手の汗が止まる代わりに、胸・背中・お尻などから異常に汗が多く出るようになってしまう状態のことです。代償性発汗の部位や汗の量は個人差があり、手術をしてみないと分からないそうです。
日常生活に支障をきたす程の代償性発汗がある可能性もあると聞いて、手術に踏み切ることができませんでした。
手の汗にはもちろん悩まされていましたが、何とか対処できていたので、未知の代償性発汗を抱える不安のほうが勝りました。
手術をした方がよかったのか、しなくて正解だったのか、自分でもいまだに分かりません。
これから手術を検討される方に「こうした方がいいよ」と言うこともできません。
手の汗の量も、それによる苦痛も、手術を必要とする理由も、人それぞれ違うからです。
ただ、代償性発汗のリスクもきちんと考えた上で、ご自分に最良の選択をしてほしいと思います。
病院に行ってみよう
- 手のひらの多汗症の人数は、人口の5.33%(約677万人)
- 足の裏の多汗症は、人口の約2.79%(約350万人)
- 脇の多汗症は、人口の約5.75%(約720万人)
手のひらと足の裏など、多汗症を合併している方も少なくないですが、こんなに多くの方が多汗症の症状を抱えています。
そして、多汗症の方のうち医療機関を受診する人は、全体の約6.2%と非常に低いことが分かっています。
- 多汗症が病気であることや、治療法が存在すること自体を知らない人が多い
- 汗の悩みを人に知られたくない、恥ずかしいという心理的な抵抗
なかなか病院を受診できない理由としては、こういったものがあると考えられます。
しかし、治療法はいくつもあり、適切な治療を受けることができれば、汗の悩みをかなり改善することができます。
十数年前は、多汗症の治療をしてくれる病院を探すのは大変だったのですが、最近では多汗症治療を行なっている皮膚科が増えています。
薬などの選択肢も増えています。
自分に合った治療法を見つけるためにも、まずは病院を受診してみてはいかがでしょうか。
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